【不思議な夢】おじいさんと女の子の物語

これは妻が見た不思議な夢の物語です。
少し切なくて、不思議な面白い物語だったので、記録として残しておくことにしました。
よかったら、最後まで読んでみてください。
ある町に、6歳くらいの女の子がいました。
女の子は、お父さんと、歳の離れたお兄さんとの3人で暮らし。
友達のいない女の子は、いつも一人で遊んでいて、それをお父さんとお兄さんは心配していました。
ある日、お兄さんが海岸沿いを歩いていると、遠くに誰かと歩く妹の姿を見かけました。
はっきりとは見えませんでしたが、どうやらおじいさん手をつないているようでした。
また別の日、お父さんも女の子がおじいさんと歩いているのを目撃します。
心配になった二人は、女の子に尋ねました。
「一緒にいるおじいさんは誰?」
「友達ができたの」と、女の子は嬉しそうに答えました。
「それなら、今度家に連れておいで。一緒にご飯を食べよう」と、お父さんは提案します。
女の子はおじいさんに伝え、家に連れて来ることになりしました。
けれど約束の日、女の子と家に向かう途中、おじいさんはふっと姿を消してしまいます。
そして、お父さんとお兄さんがおじいさんに会うことはありませんでした。
その後、おじいさんは女の子の前にも現れなくなってします。
お父さんとお兄さんは「やっぱりおじいさんは実在しないのではないか」と思いましたが、女の子はおじいさんが働いているという会社の名刺をもらっていたので「絶対にいる!」と確信していました。
ある日、その名刺に書かれた住所を訪ねてみると、そこには小さな事務所がありました。
中にいた人に名刺を見せると、こう言われます。
「名刺に書かれた名前の人は、ここにはいませんよ」
それでも女の子はあきらめませんでした。
「きっとまた会える」と信じ、毎日のように事務所に通いました。
次第に事務所の人たちとも仲良くなっていきました。
年月が立ち、女の子はその事務所に就職し、そこで出会った男性と結婚しました。
結婚相手を家族に紹介したとき、お父さんとお兄さんは「どこかで見かけたような気がする」と感じました。
更に年月が経ち、女の子も年を重ねておばあさんに。
ふと夫の顔を見て、こう思いました。
「あの時のおじいさんに…似ているな」
ある日、夫が言いました。
「最近、海岸で小さな女の子と仲良くなってね」
おばあさんは、はっとしました。
「それ…小さい頃の私だ」
それからというもの、夫は毎日のように女の子に会いに行くようになり、いつしか家には帰ってこなくなりました。
でも、おばあさんは微笑みながら言いました。
「私と会っているんだから、仕方がないね」
おしまい
最後まで読んでいただきありがとうございました!