近年、東京や大阪の都心部ではタワーマンションの建設が目立ちますが、なぜ都心にタワーマンションが多く建てられているのでしょうか?
今回は、その理由についてお話ししたいと思います。
それではいってみましょう!
都心における3つの事情
近年、都心部は以下のような事情を抱えています。
- 地価の高騰
- 土地の不足
- 建物の高層化による住環境の悪化
実は、都心にタワーマンションが建つ理由にこの3つの事情が深く関わっているのです。
詳しくみていきましょう!
① 地価の高騰
一つ目は、地価の高騰です。
都心は通勤にも買い物にも便利ですし、遊ぶところもたくさんありますので、需要が高い割に供給できる面積は限られており、どうしても希少価値が上がってしまいます。
土地が高いと当然マンションの価格も高くなり、買い手が付きづらくなります。
そこで売り手が考えたのが、
です。
マンション1棟当たりの戸数を増やし土地費をみんなで分担して購入することで 1戸当たりの土地費は薄まります。
例えば、都心に20億円の土地があったとします。
- 建物費5,000万円で 戸建て を建てた場合
➡︎1戸当たりの金額は 20億5,000万円 - 建物費3億円で 10戸の小規模マンション を建てた場合
➡︎1戸当たりの金額は 2億3,000万円 - 建物費20億円で 50戸の中規模マンション を建てた場合
➡︎1戸当たりの金額は 8,000万円 - 建物費200億円で 400戸のタワーマンション を建てた場合
➡︎1戸当たりの金額は 5,500万円
マンションの建物の単価は 小規模 → 中規模 → タワーマンション の順に高くなるように設定しましたが、土地費の割合が小さくなる分、1戸当たりの金額はタワーマンションが最も低くなりました。
② 土地の不足
二つ目は、土地の不足です。
広い土地があれば、高層化しなくても多くの住戸をつくることができますが、小さい土地しかなければ上に積んでいくしかありません。
都心には広い土地が少なく、多くの場合は小さい土地に建物を建てるため、必然的にタワーマンションが増えているというわけです。
③ 建物の高層化による住環境の悪化
三つ目は、建物の高層化による住環境の悪化です。
都心は、広い土地が手に入りづらいため、行政も都市計画により高い建物が建てられるような枠組みをつくってくれています。
具体的には、容積率という敷地面積に対する建物の床面積の割合を定めた基準が都心では地方に比べて高く設定されています。
また、建物が高くなると日影ができてしまいますが、多くの都心部では日影の制限がかからないような都市計画になっています。
このように法律上も高い建物を建てられるようになっているため、都心部では高層化が進んでいるのです。
では、周りが高い建物ばかりの土地にマンションを建てるとどうなるでしょう?
なので、都心のマンションは高層化した方が住環境の良い部屋を提供することができるということなのです。
タワーマンションはWin・Win・Winの関係が成立している
以上の事情に加えて、タワーマンションを建てることで多くのメリットがあります。
- 購入者 によってのメリット
- 売り手 にとってのメリット
- 行政 にとってのメリット
それぞれ具体的にみていきます!
購入者にとってのメリット
まず、購入者にとってのメリットは、
- 土地の高い都心の一等地に住むことができる
- 建物費や管理費も割り勘できるので豪華な共用施設を使用できる
- 高層階に住めば、日当たりや眺望の良い住環境を手に入れられる
といったことが挙げられます。
売り手にとってのメリット
次に、売り手にとってのメリットは、
- 一等地・豪華な建物といった商品価値の高い売り床を多くつくることができ、事業として大きな利益が期待できる
です。
現在は、不動産バブルと言っても良い状況ですので、需要の高い一等地でタワーマンションをつくることには事業としてのメリットがあります。
行政にとってのメリット
最後に行政にとってのメリットは、
- 夜間人口の少ない都心に多くの人が住んでくれることで治安が安定する
- 定住人口が増えることで税収効果が期待できる
といったことが挙げられます。
意外とこの視点は見落とされがちですが、行政も多くの人が街に住んでくれるということに対して、治安維持や税収効果などのメリットを感じています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は都心にタワーマンションが多く建てられる理由について語ってみました。
最後におさらいです。
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